5cmの小さな建築家、コイモリが水草に巣を作る「マイホーム」への闘い
体長わずか5cmほどのコイモリが、水草の茎に精巧な巣を作る独特な繁殖戦略や、川に生きる様々な生物たちの驚くべき繁殖の営みを伝えます。
水中の世界でも、鳥のように精巧に巣を作る「建築家」が存在するという事実を知る人は多くない。体長5cmほどの小さな魚、コイモリがその主人公だ。普段は群れをなして泳ぎ、天敵の目を避けている彼らは、繁殖期になると自分だけの住処を確保するために激しい闘いを繰り広げる。鰭(ひれ)に棘を持つコイモリは、水草地帯の水中に生息し、集団生活を通じて天敵から身を守るためのエネルギーを抑え、餌を探すのに有利な生存戦略をとっている。
「家がなければ相手にされない」コイモリの精巧な建築術EBSのドキュメンタリー映像によると、コイモリのオスにとって「家」は単なる住処以上の意味を持つ。繁殖期になるとオスの体色は濃くなり、メスを探し始める。しかし、どれほどメスを追いかけても、家を持たない無一文のオスはメスに拒絶されることが多い。メスの選択を受けるために、オスは必ず完璧な巣を完成させなければならない。
コイモリは魚類の中で唯一、水草の茎に家を建てるという独特な習性を持っている。オスはまず丈夫そうな水草の茎に場所を定め、周囲にある植物の根や茎などの材料を口でちぎって持ってくる。まるで鳥が巣を作る過程に似ており、材料を運んできて水草の間に縫い合わせるように密に編み込んでいく過程は、驚異的ですらある。ある程度材料が集まり形が整うと、オスは全身を使って丸い形に整える。この時、オスは体から出る粘り気のある体液を接着剤のように活用し、材料がうまく編み込まれるよう巣の周りを回りながら体液を付着させる。
巣の完成度を決定づける最後の鍵は「入り口の大きさ」だ。巣の中で産卵が行われるため、オスはメスの体にぴったり合い、かつ天敵に見つからないよう、入り口の大きさを調節することに心血を注ぐ。小さすぎてもいけないし、大きすぎると危険だからだ。この精巧な設計が終わり、巣が完成すると、メスはオスの誠意に心を惹かれたかのように自ら近づき、頑丈に造られた巣の中で愛を交わし、命を宿す。
シラスウナギの砂の婚礼から、ハゼ類の密やかな産卵まで
川の生態系は、コイモリだけでなく様々な生命体の独特な繁殖戦略に満ちている。シラスウナギは一般的なウナギとは異なり、川に戻って繁殖の準備をする。映像では、シラスウナギの一対が吸盤のような口で重い石を運び、尾を使って砂を掘り、婚礼の場を作る姿が捉えられた。完成すると、シラスウナギは互いの体を絡ませて交尾を行い、この時、オスがメスの腹を刺激する。7対の鰓(えら)の穴があることから名付けられたシラスウナギは、産卵後、他の生物の目に触れないよう、卵を急いで砂で覆って保護する。
ハゼ類の産卵方式はさらに異色だ。オスがメスを捕まえてぐるぐると回る、いわゆる「産卵ダンス」を踊るのだが、これはこれまで一度も観察・報告されたことがない独特な姿として描写される。ダンスが次第に激しくなり、オスがメスの体を完全に包み込んだ瞬間に卵が放出される。こうして生まれた卵は、水温さえ適度であれば2〜3日以内に孵化する。コチハゼの場合、オスは卵が孵るまで一刻もそばを離れず守り続ける。
クチボゾの激しい卵守り、カワグロコイの「托卵」戦争
川の生存競争は産卵後も続く。クチボゾは岩の下に産卵場所を掃除した後、卵を産み、オスがそれを守るのだが、この過程で「カワグロコイ」との戦争が勃発する。カワグロコイは、クチボゾの産卵場所に密かに卵を産み付けていく「托卵」戦略を用いる。クチボゾは自分の卵を守るために侵入してきたカワグロコイたちと激しい戦いを繰り広げ、凶暴な性格を露わにして産卵場所を死守する。カワグロコイが執拗に侵入を試み、クチボゾを追い詰めることもあるが、クチボゾは決して卵を諦めない。
一方、クチボゾと見た目が似ているクチボゾ(※原文:ケッチャク - 訳注:文脈からクチボゾに近い種、あるいは特定のハゼ類を指す)は、コイモリのように水草の茎に卵を付けて育てる特性を持つ。オスのクチボゾは鰭を動かして卵に新鮮な酸素を供給し、卵が孵るまでそばを離れず、至極丁寧に世話をする。透明だった卵に目が現れ、形が見えてくると、クチボゾは卵が孵る時期が来るまで近くで警戒を強める。ついに卵の殻を脱ぎ、稚魚となった新しい命は、最も危険な時期を過ぎて水草地帯を離れ、新しい世界へと出会う。
川の長い旅が終わる場所で、アユが長い旅を締めくくる。深い渓谷まで遡上したアユたちは、川の下流へと下りて産卵の準備をし、メスが産卵に適した場所を探すと、オスたちがその後を追う。アユは流れの速い場所に卵を産むが、これは卵に新鮮な酸素を多く供給するためである。メスは生存率を高めるために、何度も場所を移動しながら複数回に分けて産卵を行い、この過程で水中の世界は再び激しい生命の動きで満たされる。
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